総会・学術集会開催にあたって

　この度、第17回日本医療教授システム学会(JSISH)総会・学術総会を2025年3月6日から7日（併設セミナーを3月8日）に開催させていただくこととなりました。大会長を務めさせていただきます郷間厳と申します。

　近年、医療を取り巻く環境は急速に変化しており、高齢化社会の進展、医療技術の革新、患者ニーズの多様化といった課題が山積しています。このような状況の中で、医療従事者には高い専門知識と技術に加え、患者とのコミュニケーション能力や倫理観など、多岐にわたる能力が求められています。これらの能力を育むためには、効果的な教育システムが不可欠であり、私たち医療教授システム学会はその重要性を認識し、活動を続けてまいりました。

　今回の学術集会のテーマは、「成果につながる医療教授システム～患者経験価値（PX）を高め、仲間と共に医療の心を育む～」としました。このテーマには、患者とともに進める医療への移行や医療従事者の多様化に対応した教育方法の開発が求められる現状を踏まえ、医療教授システムのあり方を議論し、成果につながる教育方法を探求するという意図が込められています。

具体的には以下のテーマを中心に検討を行います。
- 患者経験価値（PX）を高める医療教授システム
- 仲間と共に医療の心を育む教育方法
- 医療教授システムの評価方法

　本学会では、医療教授システムに初めて触れる方々でも参加しやすいよう、基礎からも学べるセッションやワークショップも行いたいと考えております。初心者向けの講座や実際の医療現場での応用事例を交えたワークショップなどを通じて、基礎と実践の両方を深く学ぶことができると存じます。
　会場は大阪の大阪市中央公会堂を予定しております。素晴らしい会場であり、大阪の多くの文化施設にも近い立地ですので、現地でのリアルな交流を通じて、相互の親睦交流を深めていただけることも重要な機会であると考えております。

　当日は、基調講演やシンポジウム、ワークショップを通じて、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、福祉関係者など、多職種の医療関係者が集い、学びを深める場としたいと考えております。充実した２日間になるよう、事務局一同、一生懸命準備を進めております。

　皆様のご参加によって、医療教授システムの発展にまた一歩を踏み出すことができると確信しております。共に学び、共に成長し、患者さんのために良い医療を提供できる体制を築いていけることを祈念し、ご挨拶といたします。